消滅してしまったポルトガルの定置網漁業。
復活へと導いたのは、日本人でした。

私が在籍する「Tunipex(チュニペックス)」は、定置網漁業を行っている会社です。場所はポルトガル最南端に位置するアルガルヴェ地方。遥か昔ローマ時代より、定置網によるマグロ漁が盛んな地域でした。しかし1970年代に入り、海洋資源の減少や社会経済の変化の影響で定置網漁業はほぼ壊滅。2000年続いた海の文化が途絶してしまったのです。その後1990年に入り、同じポルトガル語圏のブラジルで事業を営む荒井商事に声がかかりました。その頃荒井商事は、食品流通事業の一環として地元大磯で定置網漁業を営んでおり、ノウハウを有していました。1994年にポルトガルへ進出。日本から作業船と漁業資材を持ち込み、さらに最先端の漁業技術を導入することにより、ポルトガルにおけるマグロ漁を復活させることに成功しました。現在、マグロ(タイセイヨウクロマグロ)は国際協定によって各国あたりの漁獲量が定められ、乱獲を防ぐためのルールが敷かれています。私達が目指し、心がけているのは、シェアや売上の拡大よりも、折角復活した定置網漁業を「Sustainable(持続可能)な」営みとして根付かせること。50名のポルトガル人スタッフと、協力関係にあるポルトガル政府・企業とともに、これからもこの事業を続けていきます。

「まさか、自分が○○で働けるとは…」
荒井商事の流行語大賞かもしれません。

入社後は食品流通部門のスーパーマーケット店舗で約4年間勤務。その後、総務部で新卒採用担当などの経験を経て2014年にポルトガル出向者となりました。幼少期にイギリスで生活していたこともあり、英語は話せます。とはいえ漁業に関する知識はゼロ。そこは苦労しましたね。最初の2年間は毎日朝6時前には船に乗り組み、午前中はポルトガル人の漁師達とともに船上での作業。そして午後はオフィスで事務仕事をしながら、少しずつ業務を覚えていきました。現在、スペインやドイツといったEU諸国のお客様に対して、マグロの販売営業を担当しています。ポルトガルはEUの中でも、比較的小さい、貧しい国。特に私たちの居る南部は観光以外にこれといった産業もありません。私たちの頑張りにより、新たな雇用が生まれ、外貨を獲得し、人々の暮らしが豊かになる。そう考えるたびに、事業としての存在意義を強く感じます。入社から18年。まさか自分がポルトガルで働くことになるとは思ってもみませんでした。でも、だから面白い。この先、どんな新しい仕事が自分を待っているのか。今から楽しみです。

Profile

伊藤 祐介

1999年入社 新卒
Tunipex, S.A.(チュニペックス社)出向
課長

荒井商事に入社した理由は?

幼少期にイギリスで生活していたこともあり、就職活動では海外と関わり合いのある企業を探していました。とはいえ、当時は就職氷河期。さまざまな企業の面接を受けましたが、なかなか内定まではいかず……。そんな中、ある合同説明会で出会ったのが荒井商事です。ブースで働く人事の方の丁寧な対応や面接担当者の対応がとても気持ちよく、さらに荒井商事が展開している事業にも非常に興味を持ち、入社を決意しました。

将来の目標は?

天然の海洋資源を生かした事業である「漁業」を永続的に行えるような仕組み作りを行っていきたいですね。また、現在のヨーロッパでは、日本食の人気拡大とともに、マグロを色んなカタチで食す文化が広がりつつあります。今後は日本以外のマーケットも広く見ながら、マグロの需要を伸ばしていき、その結果としてポルトガルの地域の人々の暮らしと文化がよりよいものになっていけばと思っています。

とある1週間の仕事の流れ

1年のうちの3~4ヶ月間、クロマグロの取り上げと出荷を行う繁忙期のとある1週間。

月曜
午前6時に漁船で出港し、マグロ取上作業。帰港後、マグロの検品・出荷処理。
各クライアントへ出荷マグロの報告(重量・数量・品質など)。
火曜
各クライアントにマグロの着荷確認。品質の評価、次回オーダーの確認。
自社保有加工施設の 衛生許可更新の件、ポルトガル水産庁と調整。
水曜
翌日のマグロ取上に向け、オーダー集約。ポルトガル人スタッフと情報共有。出荷準備を指示。
木曜
マグロの取上・出荷。 海況に応じて、船上からもクライアントに連絡し取上数量の調整実施。
金曜
着荷確認など。週の売上・利益・トピックスをまとめて週間営業報告書を作成、日本サイドへ提出。
日々消耗する定置網等の資材の追加調達について、日本サイドと調整。
土曜
お休み(取り上げスケジュールによってはお休みじゃないことも)
日曜
お休み
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